【産婦人科医コラム】良いかかりつけ医を見つけてください2019.01.11
最近、社会での女性の活躍が目覚ましいですね。
性的差別とも呼べる扱いを受けることも少なくない中で、女性たちの努力には頭が下がる思いです。
その一方で、我々の専門である婦人科領域では、男性たちがんばれ!とエールを送りたくなることがらがあります。
婦人科への受診は敷居が高い、ということをしばしば耳にします。
恥ずかしいとか、これくらいは我慢しないといけないのではないかなどの理由で、受診をためらう女性も多いようです。
当アプリもそのような問題を解消する為に開発されました。
近年、レディースクリニックやウィメンズクリニックという名称での開業が増加しているのも、来院しやすくするための工夫ではないかと思います。
それでもまだまだ気軽に受診できる状況にはなっていないようです。
そこには何か大きな理由があるはずです。
そのひとつが、電話での問い合わせのときの患者様の質問です。
「女の先生はいますか?」この言葉は男性にとっては水戸黄門の印籠のようなものです。「ははーっ、参りました」と。
ところが、医師側もそれを利用している事実があります。
問診票に、「女性医師を希望されますか?」、ウェブサイトに、「当院は女性医師も診療を行っています。」、などなど。
そういう当院も毎日女性医師の診察があることを宣伝しています。
女性医師を希望して長時間待った患者様が“しかたなしに”私の診察を受けることがあるのですが、あらためて確認したときに「別にいいんですけどね」という言葉がかえってきます。
希望に添えないことが申し訳ないので、サービス精神一杯に問診を始めるなどの涙ぐましい努力で、2回目からは女性医師にこだわる患者様数は大幅に減少します。
我々男性医師にも、努力次第で挽回の可能性は残っているのを肌で感じています。
ただ、私の姿をみただけで「女の先生って言ったでしょ!」とものすごい剣幕で怒られるのは辛いものです。
婦人科診療における女性医師の利点は数多いでしょう。
同性だから気持ちがわかる、女性同士だから恥ずかしくない、一般に優しい印象がある、根気がある、などなど。
一方、男性医師の利点は、、、残念ながら思いつきません。パーソナリティーは男女を問いませんし。
男性医師の方、「私はこんなにすばらしい!」といっても、会ってもらわないと伝わりません。
女性の皆さんにとっては、男性だからよりよいのだという理由は極めて限られているようです。
だから、より努力が必要です。『どんな努力なんだ?』ですか。私にも明確にはわかりません。
医療に限ったことではありませんが、「相手の気持ちを考える」ことだと思います。
思いやりの気持ちを持って、優しく誠実に。私は完ぺきな実践には程遠いですが、あきらめないで努力しています。
全国の女性の皆様、性別だけで決めないで一度話を聞きに来て下さい。
あなたのホームドクターとなりうる医師がみつかると私は信じています。
平井光三
南森町レディースクリニック
女性へのメッセージ
「すべての女性のためのクリニック」をコンセプトに、最新の医学情報を取り入れて、女性がお持ちの健康に対する悩みを解決するお手伝いができるよう努めています。 婦人科疾患の診断・治療はもとより、ホルモンバランス改善による健康維持・改善にも力を入れています。 女性医師も診察を行っていますので、ご希望の場合には対応可能です。