糖質制限ダイエットは、GI値よりGL値に注目しよう!2019.08.21
ダイエットを成功させるには、糖質の摂取量をうまく制限して血糖値をコントロールすることがポイントになってきます。
今まではGI値を基準にするのが一般的でしたが、最近は「より現実的な指標とされているGL値を参考にするべき」という声がふえてきました。
今回は糖質制限ダイエットとGL値について解説していくのでダイエット成功のために役立ててください。
糖質制限をするとなんで痩せられるの?
最近は、一般の人にも糖質制限ダイエットが広まっているので、ダイエットを成功させるには糖質の摂取量をコントロールすることが大切ということを知っている人も多いと思います。
では、なぜ糖質を摂りすぎると太ってしまうかご存知でしょうか。
糖質が多い食品はカロリーが高いということはもちろん関係していますが、糖質で脂肪が溜まってしまうのは血糖値の上昇とインスリンというホルモンが関係しているのです。
インスリンは膵臓(すいぞう)から分泌される「血糖値を下げる」ホルモンです。
必要以上に血糖値が上がったり、急激に血糖値が上がったときに大量に分泌されますが、インスリンは血液中の糖を中性脂肪に変えてしまうことで血糖値を下げています。
摂取した糖はほとんど体に吸収されてしまうので、基礎代謝や運動などで消費されなければ「脂肪に変わってしまう=太ってしまう」という結末を迎えてしまうことになるのです。
ただ、糖質自体は人が生命活動を続けていくうえで必要な栄養素です。
全く摂らなかったり、極端に摂取量を減らすことは体調を崩す原因になりますし、リバウンドしやすい体質を作ってしまうのでおすすめしません。
ここでポイントになってくるのがインスリンは、血糖値が急激に上がったときに大量に分泌されるということです。
血糖値の上昇を緩やかにすることができれば、インスリンの過剰分泌を抑えることができますので、ある程度糖質を摂取してもダイエットには支障がありません。
この「血糖値の上昇を緩やかにする」ために注目しなければいけないのが「GI値とGL値」になります。
ダイエットで、GI値よりGL値をチェックした方がいいのはなぜ?
今までは血糖値の急上昇を抑えるためにGI値(Glycemic Index:グリセミックインデックス)が注目されてきました。
GI値は、ブドウ糖の血糖値の上昇度を基準値「100」としたとき、対象となる食品(炭水化物が50g含まれる量)を摂取したときの血糖値の上昇具合がどれくらいになるかを数値化して表したものです。
ブドウ糖が100になるので、GI値は低ければ低いほど血糖値の上昇が緩やかであり、55以下の食品は低GI食品となります。
ダイエットのために低GI食品を食べるようにすることは一面的に見れば間違っていないのですが、低GI食品のなかには「炭水化物が50g含まれる量」を食べることが現実的には難しいものがあります。
この欠点を回避するために今後使って欲しい指標がGL値(Glycemic Load:グリセミック・ロード、グリセミック負荷)です。
GL値は、GL値 = [ 対象の食品 100gに含まれる糖質の量 × GI値 ] ÷ 100で導き出されます。
食品100gという、実際食べるときに無理のない量を基準にしているので、現実的な血糖値上昇リスクを調べることができます。
たとえばスイカとレーズンを比べてみると、スイカのGI値は72・GL値は4、レーズン のGI値は64・GL値は28になっています。
GI値はレーズンの方が低いですが、GL値は圧倒的にスイカの方が低いです。
他の栄養バランスとの兼ね合いもあるので、レーズンよりもスイカを食べなさいとおすすめするわけではありませんが、あくまでも血糖値の上昇を緩やかにするという目的に限って言えば、スイカの方が適しているということになりますね。
低GI食のなかにもGL値が低い食品もありますが、上記のレーズンのような例もあります。
効率よくダイエットを進めていくためにも、今後はGI値よりもGL値を確かめながら食事のメニューを考えましょう。
GL値で選ぶなら、どんな食べ物がダイエットにおすすめ?
ちなみにGL値が10以下の食品を低GL食品、11〜19のものが中GL食品、20以上が高GL食品になります。
とは言え、食事で使う全ての食材を低GL食品にはできません。
食材のジャンル別にGL値を比べ、より低いものを選ぶように工夫していく必要があります。
今回は、主食になる穀物類のGL値を紹介していくので、メニュー作りの参考にしてください。
お米
精白米(炊いたご飯) 28
玄米(炊いたご飯) 22
おかゆ(精白米) 14
もち 41
赤飯(蒸したもの) 32
麺類
そば(茹でたもの) 13
うどん(茹でたもの) 18
パン
食パン(6枚入り1枚) 39
フランスパン(1切れ) 44
全粒粉パン(1枚) 35
クロワッサン(1個) 33
その他穀類
とうもろこし(1本) 9
キヌア(調理済 茶碗1杯) 10
上の表では紹介していませんが、ハンバーガーやホットケーキ、フライドポテトはかなりGL値が高くなっています。
たまのご褒美に単独で食べる分にはいいですが、セットメニューで注文するのは避けておきましょう。
また、チョコレートなどは調査機関によっては低いGL値をつけていますので、カカオ含有量が多いものをつまむ分には食べても良さそうです。
ただ、チョコやスナック類はついついあれこれ食べてしまいがちになってしまいます。
あくまでもつまむ程度におさえるようにしてください。
血糖値を急上昇させないためのポイント
忙しくてGL値を確認する余裕がない人は、血糖値の上昇を緩やかにするために以下のことに注意しながら食事を摂るようにしましょう。
- なるべく精製されていない主食(玄米、全粒粉パンなど)を選ぶ
- 空腹でいる時間を少なくするため、GL値が低い間食を食事の間にはさむ
- 夕食は食物繊維とたんぱく質中心のメニューで
- 1日の食事全て糖質を抜くような、過度な制限はしない(リバウンドの原因になる)
- 自炊に固執せず、GL値や糖質量、栄養価の条件を満たしていれば外食やコンビニ食もOKとする
おわりに:糖質をコントロールするには、GI値よりもGL値に注目しよう
肥満を防ぐ、体脂肪を落とすには、血糖値の上昇をできるだけ緩やかにすることが大切です。
今まで注目されてきたGI値を参考にすることは間違っていませんが、GL値の方がより現実的な基準になるので、これからはGL値を参考にすることをおすすめします。
精製された穀物はなるべく摂らない、空腹の時間が長くならないようにするなど、血糖値コントロールの基本は押さえつつ、これからはGL値にも注目するようにしてみてください。
(medicommi 2019年4月24日)