口の中でさっと溶ける「OD錠」ってどんな薬?2019.12.18
薬には水と一緒に飲むタイプのほか、水なしで服用できるものもあります。
今までは水と一緒に飲んでいた薬が、水なしで飲めるOD錠(口腔内崩壊錠)で処方されるようなことも考えられます。
この記事ではOD錠の概要や処方される理由やメリットとデメリット、服用時の注意点を紹介します。
OD錠ってどんな薬?
OD錠は水なしで飲める薬で、口の中に入れたあとにすぐに溶けてかたちが崩れるのが特徴です。
ODとはOral Disintergrationの略で、口腔内崩壊錠という意味です。
日本では1997年に発売され、市販薬を含めてさまざまな種類のOD錠が使用されています。
生物学的同等性試験を行った結果、水で飲む錠剤との効果の差はないことがわかっています。
OD錠のタイプがない薬もあります。OD錠を希望する場合は、医師や薬剤師に聞いてみましょう。
OD錠のメリット・デメリットは?
OD錠は唾液または少量の水で溶けますので、下記に当てはまる人も飲みやすい薬です。
OD錠のメリット
- 子供や高齢者
- 食べ物などを飲み込む嚥下能力が低下している
- 水分の摂取制限がある(透析、心臓や肺のむくみなど)
- 服用に介助が必要
- 寝る前に水分を摂りたくない
- 外出先などで手軽に服用したい
水と一緒に飲むことに困難を感じる人にとって、OD錠は負担を軽減してくれる薬といえます。
ただしほかの錠剤と比較したときのデメリットもあります。
たとえばOD錠は湿度など環境から影響を受けやすいので、シートから錠剤を取り出したらすぐに服用するのが基本です。
OD錠のデメリット
- 壊れやすい
- 吸湿しやすい
- 味が特徴的である
- 水で飲む薬と一緒に飲む場合はOD錠のメリットを受けにくい
- OD錠タイプがない薬もある
OD錠を飲むときの注意点は?
OD錠を水なしで飲む場合は舌の上に唾液を含ませ、唾液または少量の水と一緒にOD錠を口に含んで飲み込んでください。
ほかの薬と同じように、水やぬるま湯と一緒に飲むこともできます。
水で飲んだ場合でも、効果は変わりません。
OD錠を飲むときは、姿勢に気をつけてください。
寝たままの状態で飲むと、錠剤が食道に引っかかったり気管に入ったりする可能性があります。
OD錠は体を起こす、または上体を少し起こしてから飲みましょう。
なお、水で飲む薬をOD錠のように水なしで飲むことはやめてください。
用法を守らずに服用した場合、食道や胃などの消化器官に炎症が発生したり、薬の吸収や効果の発揮を妨げるおそれがあります。
おわりに:OD錠で服用の負担を軽減可能。上手に使い分けしましょう
通常の薬の服用に負担を感じている場合や特定の病気の治療中の場合、水なしで飲めるOD錠で負担が軽くなることがあります。
メリットとデメリットを理解して、ご自身の体の状態やライフスタイルに合わせて薬を使い分けるのがおすすめです。
(medicommi 2019年10月8日)