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玉ねぎでアレルギー症状が出ることがあるって本当?2020.04.09

玉ねぎでアレルギー症状が出ることがあるって本当?

カレーやシチューの材料としても、ハンバーグやロールキャベツのタネとしても、サラダや付け合せとしてもよく使われる万能な食材とも言える玉ねぎですが、人によってはアレルギー症状を引き起こすことが知られてきました。アレルギー物質としてよく知られる小麦や卵に比べるとまだ知られていないものの、近年、患者数がだんだんと増えてきているというこのアレルギーについて、その原因となる物質や対処法をご紹介します。

食物アレルギーとは

食物アレルギーとは、主に食べてすぐに症状が出る「即時型アレルギー」の一つで、食べた直後から1時間後、遅くとも約4時間以内に見られる症状のことです。じんましんや皮膚が赤くなる「紅斑」、浮腫(むくみ)などの皮膚症状が最も多く見られますが、症状が重いと咳や喘息発作などの呼吸器症状、嘔吐・下痢・腹痛などの消化器症状が見られることもあります。

一番重くなると「アナフィラキシーショック」という、血圧が下がって意識が遠のいてしまう症状を引き起こす可能性があります。アナフィラキシーショックに至ると全身の皮膚や複数の臓器に症状が現れ、ときに生命を脅かす危険性もありますので、アレルギー症状を決して甘く見てはいけません。

このような即時型アレルギーが引き起こされるのは、アレルゲン(アレルギーの原因物質)となる食べ物に対して「IgE抗体」という免疫が反応するからです。そのため、アレルギー症状で病院を受診したときは、血液検査を行い、アレルゲンと思われる食材に対するIgE抗体が血液中に存在しているかどうかによってアレルギーの診断をします。

とはいえ、IgE抗体があっても実際には症状が出ない場合や、ごくまれにIgE抗体が検査で見つからなかったにも関わらず症状が出ることがあります。ですから、確実な診断のためには、血液検査だけでなく「食物負荷試験」などによって、実際に食べたときの症状を確認しなくてはなりません。

玉ねぎが食物アレルギーを引き起こすの?

一般的によく知られているアレルゲンと言えば、牛乳や小麦、卵などがあります。とくに、0歳児に見つかるアレルギーのうち、最も多いアレルゲンは鶏卵だとされていて、牛乳と小麦が後に続き、この3つがアレルゲンの9割を占めています。離乳食に完全移行する1歳ごろからは食生活の幅も増えることから、魚卵やピーナッツ、果物なども報告され始めます。

さらに、2~6歳ごろにはピーナッツ、クルミ、カシューナッツなどのナッツ類や、そばが現れます。7歳を超える頃にはエビやカニなどの甲殻類でアレルギーを発症する子供が増え、20歳を超えてからは小麦や魚類で初めてアレルギーを発症する人が多いとされています。このように、アレルゲンにはさまざまな食材が該当する可能性があるのです。

ですから、玉ねぎでアレルギーを発症する人もいます。玉ねぎでアレルギーを発症する場合、その原因となる物質は2つ考えられます。ひとつは生の玉ねぎに含まれる「硫化プロピル」という物質で、いわゆる玉ねぎや長ねぎの辛味成分です。この成分は加熱すると変性するため、加熱した玉ねぎではアレルギーを起こさないという人はこの成分に反応している可能性が高いです。

もうひとつは、加熱しても変性しない「ジアリルジスルフィド(二硫化アリル)」という物質です。いわゆるニンニク臭を構成する成分のひとつで、ニンニクをはじめ、タマネギ・リーキなど、ネギ科の植物の細胞が傷つけられ、壊れると放出される「アリシン」という成分が分解されてできます。つまり、玉ねぎを切るときにできる物質ということです。よく混同されがちですが、玉ねぎを切ったときに目を刺激して涙を出させる揮発性の「syn-プロパンチアール-S-オキシド」とは別物です。この二硫化アリルは犬が「玉ねぎ中毒」を起こす物質でもあり、犬は二硫化アリルを分解・消化するための消化酵素を持っていないため、食中毒を起こしてしまうのです。

同じように、玉ねぎアレルギーを起こす人も、一般的な人よりも二硫化アリルを分解する消化酵素が少ないため、アレルギー症状を引き起こしてしまうと考えられます。この二硫化アリルは加熱しても変性せず玉ねぎの中に残っていますので、火を通しているかどうかに関わらず玉ねぎを食べるとアレルギー反応が出る、という場合は二硫化アリルに対するアレルギーの可能性が高いと考えられます。加熱すれば食べられる、という人は、ネギ類やニンニクには必ず火を通して食べる、ということを徹底すればまず問題ありませんが、加熱してもアレルギー症状が出る、という人は、同じネギ科のらっきょうやニンニクなどでも同じ二硫化アリルによってアレルギー症状が出ますので、食材には十分注意しましょう。この玉ねぎアレルギーは先進国に多くみられ、発症件数も年を追うごとに増えていると報告されています。

アレルギー症状が出たときの対処法は?

もし、玉ねぎを食べて実際にアレルギー症状が出てしまったというときは、症状の程度によって対処法が異なります。比較的軽度な場合と、アナフィラキシーショックを起こした場合に分けて見ていきましょう。

比較的軽度な場合

玉ねぎを食べてじんましんが出る、皮膚が赤くなる、吐き気がするなどの症状が現れたものの、その症状が軽度~中等度の場合は、まず落ち着いて症状を観察します。食べた直後に症状が出た場合は食べたものを吐かせますが、食後30分以上経過しているようなら、吐き出せませんのでやめましょう。もし、主治医からあらかじめ処方されている薬があれば、必要に応じて使います。症状がそれ以上進行しない場合は、最低1時間は経過を観察しますが、落ち着いてくるようなら緊急の受診は必要ありません。翌日以降、病院の開いている時間帯に受診しましょう。ただし、症状が進行した場合や、1時間以上経過してもおさまってくる様子がない場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

アナフィラキシーショックを起こした場合

血圧が下がる、意識を失うなどの症状が現れた場合は、アナフィラキシーショックと考えられます。まずはすぐに救急車を呼びましょう。できるだけ早くアドレナリンを筋肉注射し、アナフィラキシーショックの症状を軽減する必要があります。

このような迅速性が必要なことから、アナフィラキシーショックを起こしたことのある患者さんや、起こす可能性が高いと判断された患者さんには、主治医からアドレナリンの自己注射薬を処方されることがあります。もし、既に自己注射薬を処方されている場合は、速やかに本人または家族が筋肉注射を行いましょう。

ただし、幼稚園や学校など、保護者がいない環境で本人が自分で注射できない状態にあるときは、居合わせた職員や救急救命士が注射することもできます。自己注射薬を注射した後は、ただちに救急車を手配し、医療機関を受診しましょう。

おわりに:玉ねぎに含まれる2つの成分がアレルギーの原因となることがある

玉ねぎによるアレルギーは、食べてすぐ症状が出る「即時型アレルギー」で、じんましんや紅斑などの軽症状が多いものの、まれにアナフィラキシーショックという重篤な症状を引き起こすこともあります。生の玉ねぎだけで症状が起こる場合は、辛味成分「硫化プロピル」が、加熱後の玉ねぎでも症状が起こる場合は「二硫化アリル」がアレルゲンだと考えられます。症状がだんだん悪化する場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

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