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その過多月経、血液の病気かも?2020.06.25

その過多月経、血液の病気かも?

このコラムでは血液の病気についてお話ししますが、病気を探すのが目的ではありません。困っている生理の症状の中に、治療で和らげられるものがあるかもしれないことを知っていただきたいのです。何か気づいたら、お気軽に専門医にご相談ください。

月経と血液の病気

月経が多くて辛い、貧血になる、学校・仕事を休まなければならないときがあるなどの症状で婦人科を受診しますが、婦人科での検査結果には異常がなく、我慢するしかないとお考えの方いらっしゃいませんか。もしかしたら血液の病気かもしれません。

月経の多い方の中に5~20%程度フォンヴィレブランド病や血小板異常、血友病保因者といった出血を多くする血液の病気を持っている方が含まれていたという調査があります。[1]

出血を止める仕組みがうまく働かない病気

そもそも、出血が起きたとき体の中では何が起こっているのでしょう。血管が破れる=出血すると、まず血小板が集まり止血を行いますが、以下のような場合は止血がうまくできなくなります。

① 血小板異常

血小板の数が少なかったり、働きが悪いとうまく止血できません。

② フォンビレブランド病

血小板同士をつなげる働きをするフォンビレブランド因子が少なかったり、働きが悪いとうまく止血できません。

③ 血友病保因者・凝固因子低下症

つながった血小板の塊に網をかけるように凝固因子というタンパクが働いて血を完全に止めますが、この凝固因子が足りないとうまく止血できません。

私、そうかもしれない

実はこれらの血液の病気は軽い場合もあり、重い生理を我慢すれば、普段の生活ではほとんど支障がないことも多いのです。こうなると本人にも病気の意識はなく、健診や婦人科の検査などでも気づかれないまま、個人的な問題と考えて、時間を過ごすことになります。

このコラムを読んでいる「あなた」。思い当たることがあれば、検査を受けに行くことがスタートです。といっても、大部分の過多月経は婦人科の病気が関係していますから、まずは婦人科を受診してください。そこでの検査に何も異常がないと言われたら、次に血液凝固に詳しい血液内科を受診してください。そこで、「コラムを読んで自分に当てはまると思った」とお伝えくだされば、詳しい血液検査をしてもらえるでしょう。もし病気がわかったら、生理の辛さを和らげることのできる治療があるかもしれません。

  • [1] James AH. Women and bleeding disorders. Haemophilia 2010; 16: 160–7.
    医療法人財団 荻窪病院
    血液凝固科 長尾 梓
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