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コロナ危機:変わる歯科医療2020.06.30

西 真紀子

西 真紀子

NPO法人「最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会」(PSAP)

コロナ危機:変わる歯科医療

新型コロナウイルスが世界中で猛威を奮っています。このコロナ危機にあって感染に最も危険な場所はどこだと思いますか?米紙ニューヨーク・タイムズ (1)が職業別に危険度の高さをまとめたところ、一番は歯科衛生士、その後に、口腔外科医、歯科助手、歯科医師と歯科現場で働く人達が次々と最上位に並びました。これほどとは、意外だったでしょうか?

歯科治療では患者さんと術者の顔が非常に接近し、かつ、歯を削るドリル、歯をクリーニングする超音波の機械などで、ウイルスが混じった飛沫やエアロゾル(数マイクロメーター以下の微小粒子、マイクロ飛沫ともいう)が大量に発生します。これを間近に浴びる歯科医療従事者の感染リスクが高くなるのは頷けますね。

そして、髪の毛、マスクや白衣に前の患者さんのウイルスが付いたまま、術者は次の患者さんのお顔に近づきます。エアロゾルは霧のように空中を漂っています。新型コロナウイルスはこのエアロゾルの中で3時間感染力を持つことがわかっています(2)。個室でなく、パーテーションで区切られているだけの部屋だったら、隣の患者さんの口の中から発生したエアロゾルを吸入するかもしれません。歯科医院では吸引装置を使って飛沫やエアロゾルが飛び散らないように工夫していますが、完璧に吸い取られるわけではありません (3)。

また、現在、医療現場では深刻なマスク不足のために、一枚のマスクを3日間ほど再利用せざるを得ない状態です。マスクに付着した新型コロナウイルスは7日間感染力を持つことがわかっていますが(4)、これを考慮せずにマスクの保管・除染方法を実践しているところがあるのも事実です。

エアロゾルが発生する医療現場では、N95マスクで行うべきだとされています(5) (6)。そのため、ほとんどの感染国で歯科は休診しています。一部の歯科医師をPCR検査に動員しているところもあります。休んでいる歯科医師が、人の足りない場で貢献しているわけです。

日本では、厚生労働省から緊急処置以外の歯科医療は控えるよう勧告が出ているものの(7)、歯科医院への休業要請は出ていません(8)。よって、平常通り診療を行っている歯科医院もあります。約束をキャンセルすると悪いのではないかと思われる方がいるかもしれませんが、感染リスクの大きさを知っているスタッフは、新型コロナウイルスに感染するのではないか、感染させるのではないかと冷や冷やしています。患者さん側からキャンセルしてくれない限り断れないので、キャンセルしてくれると、実は、心底感謝しています。

地域の感染事情を考慮して、いち早く米国歯科医師会の厳しいガイドライン(9)に従い、緊急処置以外は休診している歯科医院もあります。休業要請が出ていないために、政府からの補償はありません。そのような歯科医院は、収入よりも患者さんやスタッフの安全を第一に考えている歯科医院で、人類が新型コロナウイルスに打ち勝つためのソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を実践しているところだと思ってください。

あなたのかかりつけ歯科医院がそのような良心的なところならば、コロナ危機が終息した後に、是非、そこへ戻ってください。そういう歯科医院は、休診している間に、ポストコロナ時代にふさわしい、より安全な歯科診療のしくみを再構築しているでしょうから。

今後、考えられる歯科医療の変化は、ドリルや超音波を使う処置にはより慎重になり、感染コントロールはより強化されるでしょう。唾液検査で新型コロナウイルスの感染をチェックすることができつつあるので(10)、歯科処置前の唾液検査や抗体検査が普通になったり、歯科医院が新型コロナウイルス感染症を検査する場になるかもしれません。患者さん一人ひとりのお口の状態について、丁寧な資料を採取し、データを揃え、質の高い情報を提供するという歯科医院も増えていくでしょう。

さらに、むし歯や歯周病についてのコンサルテーション、ホームケアのアドバイス、お口の病気のみならず感染症や非感染性疾患も含めたより健康的なライフスタイルに変えるための心理学的な指導が充実していくと考えられます。このような処置は、オンライン診療で行うことも可能です。そう、ポストコロナ時代に適応して、より科学的でソフトで、かつ感染コントロールに強い歯科医療に進化するのです。

終息まで長い戦いになるかもしれません。定期的な歯科メインテナンスもしばらく中断すべきことが気がかりです。お口の中で気になるところがあれば、NPO法人「最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会」(PSAP)が無料で相談を受け付けていますので、是非ご連絡ください(info@honto-no-yobou.jp )。

(2020年4月19日時点の内容で、その後変更する可能性があります。また、本記事は筆者が所属する新潟大学とは一切関係ありません。)

西 真紀子

西 真紀子

NPO法人「最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会」(PSAP)

女性へのメッセージ

日本の国単位の調査では、75歳を過ぎると女性の方が男性より平均の歯の数が少なくなります。
歯や口の清掃状況は女性の方が良いのに!
他の国でも同じ傾向があり、女性の方が歯科治療に真面目に通うからではないかと指摘した研究者がいました。日本でもそれがデータに表れているのかもしれません。
歯科医院に通い続けても、原因を取り除かずに結局歯を失うことになるのなら、時間とお金の使い損ですよね。
しかし、理論上、自分のリスクを調べて弱点を補うような予防歯科をすると、歯を失う主な原因であるむし歯や歯周病を止めることができます。 NPO法人「最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会」(PSAP)では、健康に気を遣っておられる方々に、理論的な情報をお伝えしています。
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