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高安動脈炎(大動脈炎症候群)になると出てくる症状は?2020.09.10

 高安動脈炎という病気をご存知でしょうか。以前は「大動脈炎症候群」と呼ばれていましたが、大動脈以外にも発症することがわかったため、現在は高安動脈炎と呼ばれています。この記事では、高安動脈炎の特徴や症状、治療法を紹介します。

高安動脈炎(大動脈炎症候群)とは

 高安動脈炎は、血管に原因不明の炎症が起きて、狭くなったり詰まったりする病気です。血流を止めてしまうことで、脳や心臓、腎臓などの重要な臓器に障害を与えたり、手足が動きにくくなったりする可能性があります。かつてはこの炎症が、大動脈のみの病変と考えられており、大動脈炎症候群ともいわれていました。

 しかし今は大動脈だけでなく、そこから分かれている大きな血管などの全身に炎症が生じる可能性があるため、現在は大動脈炎症候群とは言いません。患者の9割は女性、しかも15歳から35歳の比較的若い年代の人に発症することが多いと報告されています。しかし最近は、男性の発症数も増えてきているようです。

高安動脈炎を発症するとあらわれる症状は?

 高安動脈炎は、炎症が起きた部位によって症状が変わるのが特徴です。心臓に近い部位の炎症であれば、大動脈弁閉鎖不全症の原因となって心不全を起こすこともありますし、腎動脈や肺動脈で炎症があれば、息切れや高血圧、肺高血圧症、胸痛などを引き起こすこともあります。

 また、めまいや頭痛、失神、視力障害、足の冷えや痛みなども挙げられます。そのほかにも、発熱やだるさ、筋肉痛や関節炎、体重の減少など、あまり原因を気にしないような一般的な症状として表れる場合もあるので注意が必要です。この病気の原因はまだ解明されていません。ただ、遺伝や環境など、いろいろな条件が重なったときに、自己免疫機能になんらかの異変が起きて、高安動脈炎を発症するのではないかと考えられています。

高安動脈炎の治療法は?

 高安動脈炎の治療は、まず副腎皮質ステロイドの薬などで炎症を抑えることが基本です。また、血管の詰まりを防ぐため、血栓という血の塊ができないように予防する薬も服用します。炎症がなかなか鎮まらず、ステロイドを減らすことができない場合もありますが、ステロイドは副作用をともなう薬のため長期の服用は危険です。その場合、免疫抑制薬や生物学的製剤のトシリズマブの使用が検討されます。

 ただ、これらの薬にも副作用の危険性があるので、主治医との十分な相談が必要です。炎症が鎮まったら、症状に応じてさまざまな処置が進められていきます。血管のつまりが解消されず、今後の生活に危険があるときは、血管のバイパス手術を行うこともあります。特に心臓の弁膜症や高血圧、腎臓障害などの合併症がある人は、今後も慎重に体調管理をして長期的に経過を見ていく必要があるためです。

 高安動脈炎は、約7割の人に症状の再発がみられるともいわれているため、経過観察が欠かせません。女性の場合、妊娠や出産をきっかけに再度症状がぶり返す可能性もあります。

おわりに:大動脈をはじめとする血管に炎症が起きる病気です

 高安動脈炎は、血管に原因不明の炎症が起き、狭くなったり詰まったりする病気です。血流を止めてしまうことで、脳や心臓、腎臓などの重要な臓器に障害を与えたり、手足が動きにくくなったりする可能性があります。発症したときは、副腎皮質ステロイド薬を用いて炎症を鎮め、経過を継続的に診察していきます。

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