燃え尽き症候群(バーンアウト)の症状の特徴は?2020.10.15
仕事に対して真面目に一生懸命だったのに突然やる気や情熱がなくなってしまった…。こんな状態のときに考えられるのが、燃え尽き症候群です。この記事では、燃え尽き症候群になりやすい人や職場環境、予防法としての仕事との付き合い方などを紹介します。
燃え尽き症候群(バーンアウト)とは
燃え尽き症候群とは、精力的に仕事に打ち込んでいた人が仕事への意欲や情熱、努力する気持ちを失ってしまう状態を指す言葉で、バーンアウトとも呼ばれています。それまでは積極的に仕事をしていたのに、燃え尽きたかのように精神状態が変化するため、このように呼ばれるようになりました。
燃え尽き症候群がみられる仕事環境の特徴
- 人を相手にする職種に多くみられる(医療、介護など)
- 仕事の成果が目に見えるかたちであらわれにくい
- 人並み以上に仕事に労力を注いでいた
燃え尽き症候群の概念は、1970年代にアメリカの精神分析医フロイデン・バーガー医師によって定義されたと考えられています。
燃え尽き症候群の要因は?
燃え尽き症候群を引き起こす要因として、個人要因と環境要因の2つが考えられます。
個人要因
- 仕事に対してとてもひたむきである
- 人のために頑張りすぎる
- 仕事熱心である
- 仕事への理想が高い
- 年齢が若い
- 仕事への経験が少ない
環境要因
- 勤務時間が長い
- ノルマが厳しい
- 身体的な負担が大きいまたは増えた
- 業務に対して給与などの評価が見合っていない
燃え尽き症候群になると出てくる症状は?
燃え尽き症候群では極度の心身の疲労がみられ、仕事中だけでなくプライベートな時間にも症状があらわれます。具体的には以下の3つで、それぞれの症状が互いに影響をし合っています。
情緒的消耗感
仕事を進めるためには、客や同僚など周囲の人との信頼関係が重要です。しかし信頼関係構築には気配りや思いやりといった情緒的エネルギーをかなり消費します。その結果疲弊感が溜まり、心身に負担をかけます。
脱人格化
情緒的エネルギーが少なくなると、情緒の消耗を防ぐために「脱人格」と呼ばれる防御反応が起こります。相手の人格を考慮しない対応(気配りや思いやりの感じられない対応、割り切った対応など)がみられるようになります。
個人的達成感の低下
医療や介護など人に対するサービス業においては、情緒的対応や人格的対応が求められることが多いです。そのため、情緒的消耗感や脱人格化が起こるとサービスの質低下を招いて個人の成果や達成感の低下も発生しがちです。その結果、やりがいや自信を失う場合も考えられます。
燃え尽き症候群を予防するには?
燃え尽き症候群は心身ともに負担が蓄積しているため、回復まで時間がかかることもあります。そのため、燃え尽き症候群を予防することが大切です。以下に、仕事への意欲を抱きつつ、健康的な心と体を維持するためのポイントを紹介します。
- 会社での自分の仕事の役割をきちんと認識する
- 自分個人と仕事で求められる役割を分けて考える
- 冷静で客観的な視点を持つ
- 職場と職場外に相談相手を持つ
- 仕事以外の楽しみや幸福を見つける
仕事に意欲を持つことは悪いことでは決してありません。しかし、自分が思うやるべきことと、会社が求める役割や業務は必ずしも一致するわけではありません。個人としての自分と、仕事上での自分の役割を客観的に捉え、状況を冷静に判断することが大切です。
また、悩み相談やアドバイスなど、気軽にコミュニケーションできるよう職場環境を整えたり、職場外のコミュニティで悩みを相談できる関係を構築したりするのもおすすめです。
もし、燃え尽き症候群かもしれない…と思ったら
燃え尽き症候群かもしれないと思ったら、以下のような習慣を取り入れて対処しましょう。
食習慣
積極的に野菜を摂取しましょう。水分補給も忘れずに。
生活習慣
こまめに運動して体を動かしてください。趣味を通して運動するのがおすすめです。7~8時間の睡眠時間を確保できるように睡眠環境を改善し、休息も十分にとりましょう。
仕事
無理に業務を増やさない、追加業務は時には断るなど、仕事量を調節してみてください。また、仕事への情熱が湧かないときは、回復するのを待つことも大切です。休暇をこまめにとって休息時間を確保するよう心がけましょう。
その他
楽しみやリラックスするための時間を確保すると気持ちがリフレッシュします。深呼吸、瞑想、ヨガなどで精神面のリラックスを促すのもおすすめです。
おわりに:仕事熱心な努力家は燃え尽き症候群に注意しましょう
燃え尽き症候群は、蓄積した心身の負担によって意欲や向上心に影響を招きます。燃え尽き症候群のような症状がみられたら、仕事との向き合い方や日常生活の習慣を見直して、心と体の負担を軽くするなどして、早めに自分をケアしましょう。
(medicommi 2020年5月21日)