これから気になる紫外線、そのメリット・デメリットや対策を知ろう2022.03.31
紫外線によって、日焼けや皮膚がんなど肌への悪影響や、白内障といった目へのダメージが起こると考えられています。この記事では、紫外線が体に及ぼす影響について紹介します。
紫外線とは
紫外線は英語で Ultra Violet と呼ばれるもので、A波(UV-A)、B波(UV-B)、C波(UV-C)に分類されます。
A波(UV-A)
A波は紫外線の中で最も波長の長い光です。メラニン色素が皮膚に沈着して、肌が黒くなる状態(サン・タン)を引き起こします。皮膚の真皮まで浸透し、エラスチンを破壊します。A波が破壊した組織は、元に戻らないと考えられています。
B波(UV-B)
B波はA波より波長が短い光で、皮膚表面の細胞を破壊します。皮膚が赤くなって炎症が起こる状態(サン・バーン)を引き起こします。また、皮膚がんや白内障の原因と考えられています。紫外線が当たった部分のDNA分子は、DNAの複製が正常に行われないため、DNAに突然変異が起こることがあります。
C波(UV-C)
紫外線のなかで最も波長が短い光で、B波よりも有害と言われています。地上にほとんど届くことはありません。
紫外線が皮膚に当たると皮膚のたんぱく質が変質し、エラスチンが破壊されます。エラスチンは肌の弾力性を保つ線維のため、破壊されるとシワができたり、肌の弾力が失われたりします。また、日焼けは肌の老化の大きな原因でもあるため、光老化も招くと考えられています。
紫外線のメリット・デメリット
メリット
- 体内でビタミンDを生成する
- 乾癬やアトピー性皮膚炎などの治療で利用する(光線療法)
デメリット
- 日焼け
- 光老化
- 免疫反応を抑制する
- 光線過敏症(日光を浴びることでさまざまな皮膚症状が生じる病気)の原因となる
- 角膜炎や白内障などの病気を引き起こすことがある
紫外線が強い時期・時間帯
紫外線は場所や時期、時間帯によって量が変動します。
場所
日本では、南に行くほど紫外線量が多くなります。
時期
日本では、5月~9月頃に紫外線量が多くなる傾向があります。
時間帯
夏は10時~14時の間で1日の約60%の紫外線が観測されます。
紫外線が降り注ぐのは晴れの日だけではなく、曇りや雨の日にも降り注いでいます。
紫外線量(晴れの日と比較)
- 薄曇りの日 約80~90%
- 曇りの日 約60%
- 雨の日 約30%
曇りの日は雲が太陽光を散乱させるため、晴れの日より紫外線量が多くなることがあります。また、海岸は砂浜や海面で紫外線が反射するため、実際よりも10~25%多く紫外線を浴びてしまう可能性があります。
紫外線から肌を守るには
紫外線の影響を防ぐためには、日頃から紫外線予防に取り組むことが大切です。
外出の時間帯を意識する
朝10時~午後4時頃までが、紫外線が強い時間帯です。この時間帯に外出するときは、必ず日焼け止めを塗りましょう。
帽子や日傘を活用する
帽子をかぶる、日傘を使うなど、衣類の紫外線対策を取り入れましょう。ただし、地面や建物から反射する紫外線もあるので、日焼け止めも必ず塗ってください。
UVカット素材などの服を着用する
皮膚に届く紫外線を減らすためには、UVカットの衣服を着用するのがおすすめです。編み目のしっかりとした生地の衣服も、太陽光をある程度遮断してくれます。
サングラスをかける
紫外線カット効果があるサングラスやメガネを使うと、目へのダメージを軽減できます。紫外線は目の正面だけでなく、上下、横からも入ってくるため、顔にフィットするぐらい大きなレンズのものが理想的です。なお、色の濃いサングラスは瞳孔を大きく開けてしまうため、紫外線カット効果がしっかりしたものを選んでください。
おわりに:紫外線の特徴を理解して肌を守りましょう
紫外線のうち、私たちの肌に影響を及ぼすのはA波とB波です。紫外線によるダメージは肌だけでなく、目にも起こります。日頃から日焼け止めをしっかりと塗ったり、帽子や日傘、サングラスなどで肌や目を守り、紫外線からのダメージをできるだけ抑えましょう。
(medicommi 2020年6月6日)