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【産婦人科医コラム】最近ピルに関して思うこと2022.03.03

私のピルに関する処方の原則は以下の3つです。
一つ目は、今診ている疾患や相談と関係なくてもできるだけ低用量ピルの話をすること。二つ目は低用量ピルの効能・副作用・副効用などを処方前に話しておくこと。三つ目は、これが一番大事だと思いますが、メールを含めて服用中のフォローアップを確実に行うこと(電話だと診察中で出られないことが多いので、メールを活用しています)。

 これをこの20年間行ってきて、メールの内容も「吐き気が続いているのですが。」「飲み遅れたのですが?」「毎日飲んでいるんですが、出血が始まりました。」など、だいたい同じ内容が多いです。

 最近思うことは、個人差が結構あるのだなということです。飲み遅れに関しても、丸1日飲み忘れても次の日普通に飲めば出血が起こらない人もいらっしゃれば、30分飲み遅れただけで出血が始まってしまう人もいらっしゃいます。特に最近は、ホルモン量の少ない超低用量ピルが保険処方されるようになっているので、毎日正確に同じ時間に飲むことが大事だなと思います。

 また、最近は連続服用可能なピルの関心が高まっていると感じます。低用量ピルのことをライフデザインドラッグと呼ぶ人もいます。生理を自分でコントロールし、妊娠も自分で産みたいときに産むという考えです。

 一方で、『保険で処方されるピル(LEP)は生理痛や過多月経などに効果があり、自費で処方されるピル(OC)は避妊に効果がある』と額面通りに受け取る方(医者も含めて)がいらっしゃって、LEPを服用しながら避妊のためにOCをさらに飲んでいる方をお見かけします。婦人科の医者も含めて、ピルに関する啓発がまだまだ必要なんだなと思っています。はっきり言って、ピルに関しては、日本は発展途上国です。この薬によって救われる人がまだまだいらっしゃいます。月経困難症や過多月経でピルを使うと非常に楽になり、QOLが改善します。この方向からのアプローチはだいぶ成功したと思っています。

 一方で、本来の経口避妊薬としてのアプローチは、外国に比べまだまだ進んでいないと思っています。これは単に皆がピルを知らないだけなのか、それとも元々の日本人の国民性によるのかがこれからの課題だと思っています。

 もう一つの最近の大きな変化は、婦人科以外の医師による低用量ピルの処方と医師が介在しないネットでのピルの販売です。もちろん婦人科の医師以外の医師がピルを処方するのは合法ですし、ピルの普及にもつながるためいいとは思うのですが、「何かあったら婦人科に行きなさい」と言うだけではなく、最低限どう飲むのか、どのようなことが起こる可能性があるのかなどを説明してもらえるところで処方してもらうことをお薦めしたいと思います。

※文中の記載内容には薬剤の適応外使用が含まれます。
※薬剤を使用する際には主治医の判断に従ってください。

小林秀文

四ツ谷レディスクリニック

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