男性恐怖症の症状にはどんな特徴がある?乗り越えることはできる?2023.03.23
女性とは普通に接することができるのに、男性を目の前にすると激しい恐怖や嫌悪感を感じ、接することが難しくなってしまう「男性恐怖症」。具体的にどんな症状があると、男性恐怖症の可能性があるのでしょうか。症状や発症原因、克服方法などを解説します。
男性恐怖症とは
男性恐怖症とは、不安障がいに含まれる恐怖症(限局性恐怖症)の一種です。男性全般に恐怖感を抱き、男性と接したり、話したり、触れられたりすることに過剰な嫌悪感や恐怖感を感じるのが特徴です。思春期以降から結婚するまでの若い女性に、比較的多くみられるといわれています。
男性恐怖症を発症する原因として、大まかに以下の2種類があるといわれています。
トラウマ
男性恐怖症は、性的被害(自分が望まない性的行為・性的暴力・痴漢・セクハラ・性的虐待・幼少期の男子生徒からのいじめ・辛い恋愛体験など)のトラウマで発症することがあります。トラウマによる男性恐怖症の場合、症状が強く出る上に、長期間恐怖感を引きずってしまう傾向にあります。
神経症の「とらわれ」
対人恐怖症に含まれる症状(赤面症や視線恐怖症など)が、男性に対して強く出てしまうパターンもあります。男性の前で顔が赤くなったり、汗をかいたりすることで「変に思われたらどうしよう」と思うようになり、男性と接するのが苦手になってしまうケースがこれに該当します。
男性恐怖症の症状
下記の症状に当てはまる数が多い場合は、男性恐怖症の可能性があります。
①男性に対して、強い恐怖感や不安感を感じる
②男性が近づいてくると、威圧感を感じる。耐えられない
③男性と会話をしたり、体が少し触れたりするだけで顔が赤くなってしまう
④エレベーターや電車など密着度の高いスペースに男性がいると、動悸や過呼吸が起こる
⑤男性のことを考えると嫌悪感を感じる
⑥男性からの視線に恐怖を感じる
⑦男性と会話するだけで緊張や発汗が止まらなくなる
⑧男性らしい体格や仕草に不快感を感じる
⑨男性と二人きりでいると気分が悪くなる
⑩女性とは普通に会話できるが、男性とは会話できない
男性恐怖症を克服するには?
男性恐怖症の克服方法は、その原因によって異なります。まず、トラウマが原因の場合は、カウンセリングや認知行動療法、抗不安薬などの薬物療法が行われます。
しかし、トラウマが原因で発症した男性恐怖症は治りにくい傾向にあり、専門医の元で根気よく治療を続けていく必要があります。
一方、神経症のとらわれが原因の場合には、森田療法などの心理療法を通じて男性への苦手意識をあるがままに受け入れていくうちに、緊張や発汗といった症状に対する過剰な受け止め方を変化させ、徐々にとらわれを薄くしていく方法が有効とされます。
おわりに:男性恐怖症かも?と思ったら専門機関の受診を
男性恐怖症には大まかに2種類の発症原因があり、それぞれで克服までの有効なアプローチや、治療の困難さは変わってきます。専門医の元で適切なケアを続けていくことで克服する可能性があるので、心当たりのある方は、一度専門医に診てもらうことをおすすめします。
(medicommi 2019年9月13日)