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赤ちゃんにヨーグルトをあげていいのはいつ頃?食べさせるときのポイントは?2024.04.18

赤ちゃんの離乳食は、大人と違ってさまざまな制限があり、しかもまだ噛む力が弱いことから、柔らかくつぶしたりすりおろしたりしなくてはならず、作る側のお父さんやお母さんにとって非常に大変な仕事です。

そこで、柔らかく良質な栄養素を多く含むヨーグルトは、つぶしたりすりおろしたりする手間が必要ないうえに、赤ちゃんの体にもよく、離乳食としておすすめの食材です。では、いつ頃からヨーグルトをあげていいのでしょうか?

離乳食で赤ちゃんにヨーグルトをあげてもいいのはいつ?

ヨーグルトとは、牛乳などの乳に乳酸菌や酵母を加え、発酵させて作った乳製品です。タンパク質やカルシウムを豊富に含むほか、乳酸菌やビフィズス菌など、腸内で「善玉菌」として体に良い働きをしてくれる細菌が多いことから、子どもにとっても大人にとっても体に良い食べ物です。

筋肉や皮膚を作るタンパク質・丈夫な骨を作るカルシウム・腸内環境を整える善玉菌は、ぐんぐん成長していく赤ちゃんにとって重要です。離乳食が始まると、だんだん母乳やミルクを飲む量が減り、おもにカルシウムの摂取量が減っていってしまいます。ヨーグルトは、その減った分のカルシウムを効率よく補うことができるのです。

そんなメリットの多いヨーグルトは、だいたい離乳食の中期(9カ月ごろ)から食べさせてかまわないといわれています。このときはフレーバーや果肉などの入っていない、プレーンヨーグルトから始めましょう。赤ちゃん用に作られたヨーグルトであれば、離乳食に慣れてきて1カ月程度が経過したころの離乳食初期(6~7カ月ごろ)から食べさせても大丈夫です。

ヨーグルトはどろっとした形状で固形部分も柔らかいため、まだ噛む力の弱い離乳食期の赤ちゃんでも食べやすく、お母さんやお父さんも安心して食べさせられます。1食分がパッケージされているものなら、調理や取り分けの手間もなくサッと食べさせられて便利です。

とはいえ、ヨーグルトは乳製品ですので、赤ちゃんによってはアレルギーを持っている可能性もあり、最初に食べさせるときは注意が必要です。最初に食べさせるときは小児科の開いている午前中を選び、小さじ1杯程度から、様子を見ながら食べさせていきましょう。

赤ちゃん用のヨーグルト選び、ポイントは?

赤ちゃんに食べさせてあげるときは、基本的には赤ちゃんのために開発された「赤ちゃん用のヨーグルト」を選ぶことがおすすめです。赤ちゃん用ではない、大人が食べる一般的なヨーグルトのなかから選ぶときは、以下を参考にして選びましょう。

無糖のもの

  • 離乳食には糖分を使わないのが基本なので、ヨーグルトも無糖がよい
  • 赤ちゃんが大きくなってきて味をつけたいときは、他の食材と混ぜて素材の味で

酸味が少ないもの

  • ヨーグルトは、商品によって酸味の強さが異なる
  • 赤ちゃんは味に敏感で、しかも酸味は感じやすいとされている
  • 一度お母さんやお父さんが味見して、酸味の少ないものを選ぶのがおすすめ
  • ある製品を嫌がっても、他の製品だと食べてくれることもあるので、赤ちゃんの好みを探してあげることもポイント

無添加のもの

  • できれば化学調味料など添加物の入っていない、無添加のヨーグルトを選ぼう
  • 成分表示をきちんと確認しよう

赤ちゃんにとって、大人の食べ物に含まれる糖分や塩分は非常に刺激が強く、消化・吸収の負担になったり、味覚に悪影響を及ぼしたりします。基本的には、糖分の含まれていないプレーンヨーグルトが良いでしょう。味をつけたいときは、すりおろしたにんじんやりんごなどを混ぜて素材の味で食べさせてあげれば、フレーバーがついて赤ちゃんも食べられます。

同じように、酸味が強すぎるものは味覚に悪影響というほどではありませんが、赤ちゃんにとって「美味しくない」と感じられてしまうこともあります。ですから、ぜひお父さんやお母さんなど大人が一度味見をして、比較的酸っぱくないと感じられるものを選びましょう。また、化学調味料などの添加物も赤ちゃんの体にとってはよくありませんので、できるだけ無添加のヨーグルトをあげるのがおすすめです。

ヨーグルトを食べさせてあげるときのコツ

赤ちゃんにヨーグルトを食べさせるてあげるときのコツは、以下の通りです。赤ちゃんがなかなかヨーグルトを食べてくれないときや、食感や味をちょっと工夫してみたいときに参考にしてみてください。

冷蔵保存は常温に戻してから

  • 冷蔵庫から出したばかりであげると、冷たさでびっくりしてしまう
  • 初めは常温に戻してからか、レンジで数秒加熱してぬるめにしたヨーグルトが良い
  • 慣れてきたら、冷蔵庫から出してすぐでも食べられるようになる

人肌程度に加熱する「ホットヨーグルト」

  • 冬などは、人肌程度に加熱した「ホットヨーグルト」もおすすめ
  • 60度を超えると乳酸菌が死んでしまうので、人肌より熱くならないよう気をつける

水切りヨーグルト活用法

  • ヨーグルトを水切りすると、やや固めになるのでソースや生クリームの代わりに使える
  • ホットケーキに塗ってデコレーションケーキのようにしたり、クリームチーズのように使ったりできる

ヨーグルトの酸味が苦手なら、甘み食材をプラス

  • 大人ははちみつや砂糖を入れてよいが、赤ちゃんには糖分が多すぎる
  • 果物や一部の野菜など、素材自体に甘みが含まれているものと合わせる
  • バナナ・さつまいも・かぼちゃなどをつぶして混ぜると食べやすい

口に冷たいものが触れるとびっくりして、その後苦手になってしまうこともあります。ですから、最初は冷蔵庫から出してすぐにあげるのではなく、常温に戻したり、レンジで少しだけ加熱したりして、ぬるめにしてからあげると良いでしょう。

ヨーグルトの水分を切って使う「水切りヨーグルト」も離乳食の幅を広げられる食材としておすすめです。作り方は、ボウルにざるとキッチンペーパーを乗せ、その上にヨーグルトを乗せてふんわりとラップをし、冷蔵庫で置いておくだけです。ソースなど水分多めで使いたい場合は1〜2時間程度、クリームチーズのように水分少なめで使いたい場合は6時間〜一晩程度置いておきましょう。

赤ちゃんにヨーグルトを食べさせてあげるときの注意点

最初にもご紹介したように、ヨーグルトは乳製品ですから、赤ちゃんによってはアレルギーを持っている可能性もあります。アレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)は「カゼイン」というタンパク質だとされていますが、このカゼインには耐熱性があるため、沸騰するほどの温度まで加熱してもアレルギー反応がなくなるほど減りません。しかも、沸騰するような温度まで加熱してしまうと、せっかくのヨーグルトに含まれる善玉菌が死んでしまいます。とくに、離乳食までは完全母乳で育てられていた赤ちゃんや、家族・親族に乳製品アレルギーを持っている人がいる赤ちゃんの場合、アレルギーの可能性を考えて慎重に食べさせるようにしましょう。

アレルギー症状が実際に出る場合、他の食物アレルギーと同じように、じんましんや腫れなどの皮膚の症状や、嘔吐や下痢などの消化器症状が多いです。ですから、食べた後にポツポツと発疹が起こったり、赤く腫れてきたり、便がゆるくなってしまうようなら、医師の診察を受けましょう。

アレルギー症状と間違えやすいものの、アレルギーの心配が比較的低い症状としては、「吐いてしまう」「口の周りが真っ赤になる」という2つの症状が挙げられます。とくに、赤ちゃんが食べたものを吐いてしまうのはそれほど珍しいことではありません。これは、赤ちゃんはまだ消化機能が未成熟なため、タンパク質などの分子の大きな食べ物を消化できなかったり、食べ過ぎたものを消化しきれず吐いてしまったり、ということがよく起こるからです。

ですから、赤ちゃんが吐いてしまった場合は、まずは量が多すぎてはいないかを確認するとともに、食べさせるのをしばらく控えておきましょう。そして、しばらく経った後、またごく少量から試していきます。それでも何度食べさせても吐いてしまうという場合は、一度病院を受診し、医師に相談しましょう。

また、口の周りが真っ赤になるのも、一見アレルギー反応によるかぶれに見えるのですが、ヨーグルトの酸味によって一時的にかぶれているだけという可能性もあります。これは、赤ちゃんの肌は大人と比べてデリケートなので、酸味の刺激が強くて湿疹が出てしまったということです。この場合の湿疹は、数十分程度で消えていきます。とはいえ、かぶれは起こらない方が良いですから、食べるときは赤ちゃん用の小さいスプーンを使ったり、こまめに口の周りを濡れたガーゼで拭いてあげたりして、口の周りにヨーグルトがつきにくいようにしてあげましょう。もし、1時間以上経っても消えない湿疹の場合は、アレルギーの可能性がありますので、病院を受診しましょう。

乳製品アレルギーの赤ちゃんには、ヨーグルト以外に何をあげればいい?

赤ちゃんが乳製品アレルギーだった場合、ヨーグルトの代わりに「しらす・ひじき・豆腐などの大豆製品・小松菜」など、タンパク質やカルシウムの豊富な食材を意識的に多めにあげることを試してみましょう。これらはやわらかくてつぶしやすく、刻みやすいため、赤ちゃんでも食べやすい食材です。また、牛乳の代わりに豆乳を乳酸菌で発酵させた「豆乳ヨーグルト」という製品も販売されています。タンパク源としてヨーグルトの代わりに取り入れてみてはいかがでしょうか。風味やとろみも牛乳から作るヨーグルトと似ているので、ヨーグルトで作る離乳食にも使えます。

おわりに:赤ちゃん用ヨーグルトは離乳食に慣れたら食べさせてもOK

ヨーグルトは、赤ちゃんにとってやわらかく食べやすく、良質なタンパク源・カルシウム源となる離乳食におすすめな食べものです。食べ方もそのままや混ぜるなど簡単で、忙しいお父さんやお母さんにも嬉しい食材です。基本的には、赤ちゃん用のヨーグルトは離乳食に慣れてきた6~7カ月ごろから、市販のプレーンヨーグルトなら離乳食中期の9ヶ月ごろから食べさせてかまいません。アレルギーには注意しながら、離乳食に取り入れていきましょう。

(medicommi 2024年2月14日)

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