筋肉痛の回復を助ける食べものと献立に取り入れやすい料理2024.07.11
ひさしぶりに運動した後、トレーニングを始めたばかりのころなどの筋肉痛に悩まされた人もいると思います。この記事では、筋肉痛の回復を助けるといわれている食べもの・栄養について、日頃の献立に取り入れやすい料理の紹介も含めて解説していきます。
筋肉痛からの回復を早める食べもの:BCAAを含むもの
BCAAとは必須アミノ酸(体内で合成できず、食べものから補給する必要があるアミノ酸)であり、運動時の筋肉のエネルギー源となる「バリン・ロイシン・イソロイシン」の総称です。この3つのアミノ酸はその形状から分岐鎖アミノ酸と呼ばれ、筋タンパク質中に多く含まれることから、筋肉にとって重要なアミノ酸と考えられています。
BCAAには、筋タンパク質の合成促進や分解の抑制、筋肉の損傷を軽減に役立つといわれており、国内の研究結果から、運動後の疲労感・筋肉痛の軽減にも役立つ可能性があると考えられています。BCAAは、おもに以下の食べものに含まれています。
- マグロ、鮭、カツオなどの魚
- レバー
- 肉類
- 納豆などの大豆製品
- 卵
- 乳製品 など
筋肉痛からの回復を早める食べもの:クエン酸を含むもの
クエン酸は、お酢や梅干しなどの酸っぱいものに含まれ、運動後の疲労回復や筋肉痛の緩和に役立つといわれています。激しい運動をすると「乳酸(ブドウ糖を分解し、筋肉を動かすエネルギーを生み出すために必要な物質)」が過剰に筋肉に溜まるようになります。すると筋肉が酸性になって固くなり、筋肉の炎症や痛みを起こすようになると考えられています。クエン酸は乳酸の代謝を促す作用があり、おもに以下の食べものに含まれています。
- グレープフルーツ
- レモン
- 梅干し など
筋肉痛からの回復を早める食べもの:ビタミンB1を含むもの
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える作用があり、筋肉や神経の疲労を和らげることに役立つといわれています。ビタミンB1は、おもに以下の食べものに含まれています。
- 豚肉
- うなぎ
- にんにく
- まいたけ
- 玄米 など
筋肉痛の回復に役立つ献立に取り入れやすい料理
筋肉痛のときは、以下のような筋肉の回復を促す手軽な料理を、献立に取り入れてみてはいかがでしょうか。
※以下の料理だけで、劇的に回復するわけではありません。
鶏むね肉のから揚げ
鶏むね肉は、低カロリーで良質なたんぱく質を多く含みます。から揚げにすることで運動した後の空腹感を満たせますし、作り置きできる点でも便利です。カロリーが気になる人は、ノンフライヤーなどを使いましょう。
- 鶏むね肉をひとくち大にカットする
- つけ汁を作る(味付けは、しょうゆ・酒・おろししょうが・おろしにんにくなどお好みで)
- 味が染み込むよう、つけ汁に半日~1日ほど鶏むね肉をしっかり漬け込む
- 味が染みたらつけ汁から鶏むね肉を取り出し、鶏むね肉全体に片栗粉をまぶす
- 180℃ほどの油でよく揚げれば完成
豆腐のカプレーゼ
豆腐は植物性たんぱく質を含み、トマトはビタミン類が豊富です。トマトを豆腐のカプレーゼにすることで、暑い時期にもさっぱりいただけるメニューになります。
- 木綿豆腐を水切りする
- 木綿豆腐とトマトを薄くスライスする
- スライスした豆腐・トマトと大葉を、豆腐・トマト・大葉の順に並べる
- お好みのドレッシングを回しかける(オリーブオイルと塩コショウ、レモン汁でもOK)
- 冷蔵庫でよく冷やして完成
赤しそジュース
冷たいドリンクは、暑さで食欲が低下したときの栄養補給に役立ちます。赤しそをドリンクにすることで、すっきりとした風味を楽しみながらクエン酸を補給できます。
- 赤しそを塩で揉んでアクを抜き、よく水洗いする
- 鍋にたっぷりのお湯を沸騰させる
- お湯に赤しそを入れ、よく煮込む
- 赤みが抽出できたら、別の容器に赤しその葉を越して移しかえる
- 少し冷ました後、リンゴ酢・砂糖・塩・蜂蜜などお好みで味付けする
- 冷蔵庫でよく冷やしたら完成
おわりに:筋肉痛の回復にはBCAA・クエン酸・ビタミンB1が役立つ可能性があるが、栄養バランスと休養も大切
BCAA・クエン酸・ビタミンB1は、運動後の筋肉疲労や筋肉痛からの回復を早めるために役立つとされ、これらを含む食べものを料理に取り入れることで、回復を早められる可能性があります。ただし、特定の食べもの・栄養を極端にとりすぎることはおすすめしません。回復には、栄養バランスを整え、しっかり休養をとることも大切です。必要に応じて医師に相談しながら、健康的な生活を送れるように心がけてください。
(medicommi 2024/5/22)