スマホが原因の腱鞘炎の対処法と予防対策2024.12.12
スマートフォンをよく使う人が手首の親指側を動かすときに痛みを感じる場合、腱鞘炎を発症している可能性があります。この記事では、スマホが原因で起こる腱鞘炎の症状の特徴や痛みが起こったときの対処法、予防対策について解説していきます。
スマホが原因でも起こる腱鞘炎「ドケルバン病」とは
指が痛すぎてスマホが持てない場合、「ドケルバン病」になっている可能性があります。ドケルバン病とは、手首の親指側で起こる腱鞘炎です。手の親指を伸ばしたり、外側に広げたりする筋肉を使いすぎることが原因で起こります。親指を動かすときや手首を曲げるときに痛みが出る、指が腫れたりして動かせないといった症状が見られます。重いものを手で握って持ち上げる仕事に従事している人や、高齢者の介護に携わる人によく発症します。
長時間パソコンのキーボードを強く叩く人や、棒状の道具をしっかり持って行うスポーツをしている人もなりやすいです。近年では、長時間スマホを片手で操作し親指を酷使することで起こることも多く「スマホ腱鞘炎」とも呼ばれています。また、指の付け根の腱が炎症を起こして引っ掛かりが生じる「ばね指」も起こりやすいといわれています。
ドケルバン病の指の痛みの対処法
ドケルバン病は、痛めている部位を使わずに休めることで、痛みが緩和することがあります。痛みが強いときは、スマホやパソコンを使うことはやめましょう。しかし、日常生活の中でスマホやパソコンを全く使用しないのはとても難しいことです。スマホを操作するときには、両手を交互に使いながら親指以外の指も使うようにするとよいでしょう。
親指は日常的に良く使う部位なので、無意識に動かしてしまいます。負担を減らすため、テーピングやサポーターで親指の動きを制限することで、痛みが軽減する場合があります。
指の腱鞘炎の予防対策
指の腱鞘炎にならないようにするためには、スマホの使用時間を少なくすることが大切です。「完全に使わない」ことが理想ではありますが、難しいと思いますので、まずはスマホを触る頻度を少なくしてみましょう。使用するときには、両手で操作するなどして、親指以外の指も使うように心がけてください。また、スマホを強く持ってしまう癖がある人も腱鞘炎になりやすいといわれています。やさしく持つことを心掛けたり、手のひらに乗せて握ったりしないようにすることも試してみてください。痛みを感じたら早めに冷やすようにすることで、炎症を抑えられます。ただし、冷やしすぎはよくありませんので、氷や保冷材は必ずタオルなどに包んで使用しましょう。
なお、パソコンの操作時に手首を反らないようにすることが、腱鞘炎やばね指の予防につながります。手首の下に厚手のパットやクッションを使用すると、手首をまっすぐに保ちやすくなりますので、パソコンショップや家電量販店などで自分に適したものを選びましょう。
おわりに:スマホの使い過ぎに注意し、負担を減らすため両手で操作するようにしよう
手首の親指側で起きる腱鞘炎である「ドケルバン病」はスマホの使い過ぎが原因で起こることがあり、長時間片手でスマホを操作するととくになりやすいといわれています。指の腱鞘炎を予防するには、スマホを使わないほうが良いのですが、現代でそれは難しいと思います。まずは、スマホをさわる機会を少なくするなどして、スマホの使い過ぎを防ぎましょう。片手ではなく両手で操作するようにすることもおすすめです。また、腱鞘炎は慢性化すると治りにくくなりますので、症状に気づいたときは早めに病院を受診しましょう。
(medicommi 2024/11/20)