尖圭コンジローマ
概要
尖圭(せんけい)コンジローマとは、主にヒトパピローマウイルス(HPV)6型(HPV-6)または11型(HPV-11)と呼ばれるウイルスが性器に感染して発症する性感染症です。
原因
尖圭コンジローマの主な原因は、HPV-6またはHPV-11が性行為によって性器に感染することです。妊娠中に感染すると、産道感染(産道を通じて新生児に感染)することもあります。
症状
感染してから3週間~8ヵ月後に、性器や尻に褐色または薄いピンク色のイボができ、大きくなることもあります。
産道感染では、ごくまれに乳児や小児に再発性呼吸器乳頭腫症と呼ばれる呼吸器の病気を発症することもあります。
治療
イボの大きさ・数・場所・形、患者さんの希望などに応じて、薬による治療や外科的な治療が行われます。また、パートナーも感染していることが多いため、症状がなくても数ヵ月後に発症する可能性があります。このため、パートナーにも検査を受けてもらい、感染が認められた場合は一緒に治療する必要があります。妊娠を目的としない性行為では、コンドームなどを用いて感染を防ぐことも大切です。
薬物療法
一般的に、性器のイボにはイミキモドクリームと呼ばれる塗り薬が用いられます。イミキモドクリームは患者さんへの体の負担が少なく、簡単に使用できるといったメリットがあります。ただし、用法・用量を守らずに用いるとイボやその周囲に皮膚障害などを起こすことがあるため、医師の指示どおりに用いることが大切です。
外科的療法
妊娠中の患者さんには、産道感染を防ぐために外科的な治療が行われることが多く、イボの切除や焼灼(しょうしゃく。熱で破壊すること)が行われたり、イボを冷凍して死滅させたりします。