子宮内膜増殖症
概要
子宮内膜増殖症とは、卵胞ホルモン(エストロゲン)の持続的な刺激によって、細胞異型(異常な形の細胞)を伴わない子宮内膜腺が過剰に増えて、子宮内膜が厚くなることです。発症ピークは40歳代で、若年でも排卵障害を伴う不妊症の方に起こることがあります。また、性成熟期※の患者さんでは多嚢胞(たのうほう)性卵巣症候群(PCOS)も同時に発症していることもあります。なお、細胞異型を伴うものは子宮内膜異型増殖症といいます。
※:妊娠や出産に必要な身体の環境が整う時期
原因
子宮内膜増殖症は、排卵障害、卵胞ホルモン製剤単独での投与、卵胞ホルモンを分泌する腫瘍[卵巣線維腫、莢膜(きょうまく)線維腫など]がある場合や、高度肥満(BMIが35kg/m2以上)であると発症しやすいといわれています。
症状
不正性器出血(月経時以外の性器からの出血)、閉経後出血、過多月経(月経の量が多い)などがみられます。
治療
自然に消失することが多いため、経過観察となることもあります。症状が強い場合には、ホルモン剤を内服したり、子宮内挿入器具を使用することもあります。すぐに妊娠を希望する場合には不妊治療を優先して行うこともあります。閉経後には、場合によっては子宮を摘出することもあります。