性器ヘルペス

概要

性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルス（HSV）1型（HSV-1）または2型（HSV-2）と呼ばれるウイルスが性器に感染することで発症する性感染症です。

原因

性器ヘルペスの主な原因は、性行為によってHSV-1またはHSV-2が性器に感染することです。

妊娠中に感染すると、新生児が新生児ヘルペスになることもあります。

症状

症状は、男女ともにHSVに感染してから2～10日後に突然みられることが多いです。女性では性器の症状として水ぶくれ、ただれ、痛みなどがみられ、性器の痛みで歩くことが困難になることもあります。性器以外の症状では、発熱、だるさ、足の付け根あたりにある鼠径（そけい）リンパ節に腫（は）れや圧迫時の痛みなどがみられます。感染の影響で、脳や脊髄を保護する髄膜が刺激されて強い頭痛や首のこわばり・痛みを感じたり、末梢神経が麻痺を起こして排尿障害や便秘などがみられることもあります。性器ヘルペスは疲労、発熱などにより症状が再発することもあります。再発時の症状は軽く、性器の他に尻、太ももなどに小さな水ぶくれやただれが数個みられる程度ですが、再発前に性器の違和感や足に神経痛のような痛みを生じることがあります。

男性でも性器に水ぶくれ、ただれ、痛みなどがみられる他、鼠径リンパ節が腫れたり尿から分泌物が出てきたりします。

治療

治療には、HSVが増えるのを抑える抗ウイルス薬が用いられます。HSVを体内から完全に排除することはできないため、再発は避けられないといわれていますが、抗ウイルス薬により症状を早く抑えることができます。何度も再発したり、再発時の症状が重い場合は抗ウイルス薬を長期間内服します。また、病変がある時には性行為をしてはいけません。症状がみられなくても感染源となる可能性があるため、特に過去に感染したことがある男性の場合、コンドームを用いても、感染率は低下するものの完全に感染を防ぐことはできません。