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【産婦人科医コラム】ピルに関する話(1)2020.06.11

ピルに関する話(1)

今回から2回にわたってピルに関するお話をしたいと思います。

まず今回は、ピルの歴史と日本での普及状況についてお伝えします。

ピルの歴史

避妊を目的としたピルは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の合剤として1960年代に米国で開発・発売が開始されましたが、悪心・嘔吐や血栓症、乳房緊満などの副作用が強く、その後エストロゲン量を減らすことや新たな黄体ホルモンの開発により、低用量ピルと呼ばれる副作用の少ない薬剤が発売されるようになり、世界的に広まりました。

日本でのピル解禁と低い普及率

日本では1999年にようやく発売が開始されましたが、当初は副作用に対する懸念から服用者も少数でした。しかし月経困難症や過多月経の改善効果や、ホルモンバランスの改善によるニキビや多毛症、PMS(月経前症候群)への効果など避妊以外の効用が認められるようになり、更に月経困難症、子宮内膜症の治療薬として認可された保険適応のピルが発売となったことで、現在では服用者も年々増えてきました。それでも日本国内の低用量ピルの普及率は約4%(2016年日本家族計画協会調べ)と、世界平均の19.2%、ヨーロッパ諸国での40%前後の普及率に比べてかなり低いものとなっています。

日常診療の中で、PMSや月経に伴う体調不良で、学業やクラブ活動などの学校活動や就業が困難になるといった相談を受けることが多いのですが、その中で、「月経は自然な現象だから少々の痛みは我慢するもの」「薬を使うのは自然に逆らうようで不安」などの声をよく耳にします。昔から日本で美徳とされてきた耐えることの風習や、母親や周囲の大人からピルの誤った情報をインプットされる世代間ギャップもピル普及の壁になっていると言えます。

今回はピルの歴史と国内での使用状況についてお話ししました。次回はピルの避妊以外の効用について紹介します。

  • 文中の記載内容には薬剤の適応外使用が含まれます。
  • 薬剤を使用する際には主治医の判断に従ってください。

大久保和俊

玉川レディースクリニック

女性へのメッセージ

月経痛や月経不順、月経量が多く貧血傾向でお困りの方には低用量ピルをお勧めしております。又、ホルモンバランスの異常がある方や更年期症状の方もホルモン療法を行うことで改善される場合が多いです。お気軽に相談して下さい。

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