冷え性と漢方(東洋医学)の関係性と冷え性対策について2026.02.12
冷え性は一般的な悩みであり、日常生活の過ごし方の影響で起こる場合があります。また、漢方(東洋医学)では、「気・血・水」のバランスが崩れることで不調が起こると考えられており、冷え性もこの影響で起こる可能性があるといわれています。この記事では、冷え性と漢方の考え方の関係性と、冷え性解消・予防に役立つ対策について解説していきます。
冷え性とは
冷え性とは、体感的に寒さを感じないくらいの気温であっても、全身・手足・下半身など、体の一部あるいは全体に「冷え」が生じる状態です。冷え性のおもな原因は血行不良と考えられており、血行不良は自律神経・心臓・筋肉などの働きが関係していて、月経・筋肉量・運動量・ストレス・生活習慣・持病などが影響すると考えられています。
なお、冷え性は、肌荒れ・腰痛・頭痛・皮膚疾患・下痢・便秘などの発症にもつながる場合があり、以下のように「いろいろな冷え方・冷えの感じ方」があります。
- 手足だけが冷える
- のぼせがあり、手足・下半身が冷える
- お腹が冷える
- 全身が冷える など
冷え性と漢方(東洋医学)の考え方
漢方(東洋医学)には「気・血・水(き・けつ・すい)」という概念があり、これらのバランスが崩れることで、冷え性などの不調・症状が生じると考えられています。例えば、「血虚(けっきょ)」「瘀血(おけつ)」「水毒(すいどく)」「気虚(ききょ)」などの状態に陥ると、冷え性の症状が現れる可能性があるといわれています。
血虚
- 「血」とは「血液」のこと。「血虚」は血が足りない状態
- 女性は月経の影響により血虚になりやすいといわれている
- 血の働きが弱く、貧血・めまい・しびれ・けいれんなども起こりやすいといわれている
瘀血
- 血液の流れや働きに障害が起こり、血が滞っている状態
- 熱が運ばれにくくなっているといわれている
- 便秘気味で、月経痛・肩こり・肌荒れなどが起こりやすいといわれている
水毒
- 体の水分量が多かったり、偏ったりするなどして、水分が過剰に溜まっている状態
- 水分の多い部分に冷えが起こるといわれている
- 頭痛・頭重感・むくみ・耳鳴り・頻尿などが起こりやすいといわれている
気虚
- 「気」とは「生命活動に必要なエネルギー」のこと。気が不足している状態
- エネルギー不足により、熱が生まれにくくなっているといわれている
- 疲れやすい・風邪を引きやすい・寒がりなどの状態になりやすいといわれている
冷え性と漢方薬について
一般的には、冷え性には以下の漢方薬が使われることがあります。 ※漢方薬は飲みあわせなどによって期待できる効果が現れない場合があるため、基本的には漢方に詳しい医師・薬剤師に相談することをおすすめします。
血虚
- 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
- 人参養栄湯(にんじんようえいとう)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
瘀血
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
- 温経湯(うんけいとう)
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
水毒
- 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
気虚
- 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
- 人参養栄湯(にんじんようえいとう)
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
ストレスによる冷えと漢方薬
「ストレスによる冷え」は、働く女性に増えてきているといわれています。以下のような漢方薬は、このようなストレスによる冷えに使われることがあります。 ※漢方薬は飲みあわせなどによって期待できる効果が現れない場合があるため、基本的には漢方に詳しい医師・薬剤師に相談することをおすすめします。
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
- 香蘇散(こうそさん)
- 抑肝散(よくかんさん)
- 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
- 四逆散(しぎゃくさん)
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
- 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
解消・予防につながる対策
「気・血・水」のバランスを整えるには、以下にように「規則正しく健康的な生活習慣」を心がけることが役立つ可能性があり、これらを心がけることは冷え性解消にもつながるといわれています。
食事
- 冷たいものを避け、体を温めるものを摂るようにする
- 良質のタンパク質を積極的に摂る
- 生姜など、体を温めるスパイスを活用する
- お酒を飲み過ぎないように注意する
衣服
- 締め付けが強くタイトなつくりの服・下着・靴・靴下などを控える
- 靴下・レッグウォーマー・厚手のタイツなどで保温を心がける
- 機能性インナーで保温対策・汗対策をする
運動
- 筋肉を適度に動かせるような運動を習慣化する
- ウォーキング・ストレッチ・ヨガなどの有酸素運動を積極的に取り入れる
入浴
- 湯船につかるようにする
- 入浴時に、ストレッチ・マッサージを行う
- 長湯にならないよう気をつける
- 脱衣所の冷え対策を行う
おわりに:漢方薬は冷え性解消に役立つ可能性はあるが、まずは医師に相談を
冷え性は、漢方薬や生活習慣の見直しなどで解消できる可能性がありますが、冷え性のなかには専門的な治療が必要なものもあります。また、漢方薬は、飲みあわせなどの影響で期待する効果が現れない場合があります。
慢性的な冷え性や重度の冷え性がある場合は、まず医療機関を受診し、原因を調べてもらうことをおすすめします。また、漢方薬に興味がある場合は、漢方に詳しい医師・薬剤師に相談するようにしましょう。
(meddicomi 2026/1/22)

