妊娠中の旅行の注意点について2026.08.20

妊娠中に旅行をしても大丈夫?
妊娠中に旅行をしてはいけない、ということはありません。経過が順調で、妊婦検診でも異常がみられなければ、旅行に行っても問題ないといわれています。出産後は赤ちゃんのお世話で時間が取れなくなるので、気分転換もかねて旅行に行くのはよいと思います。
ただ、妊娠中は急に体調が変わることも多いですし、旅行中に出血・破水・腹痛などが起こる場合もありますので、予想もしない出来事が起きたときのことも想定して計画を立てるようにしてください。また、体調が思わしくないときはお腹の赤ちゃんと母体のことを優先し、必要に応じて旅行をキャンセルできるようにしておいたほうがいいでしょう。
なお、旅行に行くのは妊娠中期(安定期)に入ってからをおすすめします。妊娠中期はまだお腹が大きくないので動きやすいですし、リスクが低くなるといわれています。
旅行を控えた方がいい場合
妊娠初期は悪阻(つわり)などで体調を崩すことが多いので旅行は控えた方がいいでしょう。妊娠後期になると、赤ちゃんの状態は安定していますが、お腹が大きくなっているので動きにくく、無理をするとお腹が張って貧血や高血圧、早産を引き起こす可能性があるため、あまりおすすめできません。
安定期に入り、体調がよい場合は旅行に行くことは可能ですが、次のような状態が続くときはあまりおすすめできません。判断がつかない場合は、担当医に相談しましょう。
- お腹が張りやすい
- 少量の出血がある
- つわりが改善せず十分な飲食ができない
- 貧血気味である
- 赤ちゃんの成長が遅れ気味と言われている
- 健診で子宮頚管長が短い、子宮口がやわらかいと指摘されている
- 前回の妊娠で切迫流早産や早産となった
車を使う旅行の注意点
妊娠中は疲れやすかったり、お手洗いが近くなったりします。車で旅行する場合は、以下の点に気をつけてください。
- こまめに水分をとる
- 定期的に車を止めてもらって休憩する
- 車内を換気すること
- シートベルトは腰ではなく、骨盤のあたりで締める
- 1人だけで長距離の移動をしない
飛行機を使う旅行の注意点
飛行機に乗ったからといって母体やお腹の赤ちゃんに影響が出るとは限りませんが、念のため旅行前にかかりつけの先生に相談してください。また、航空会社によっては妊婦さんの搭乗ルールを設けている場合もあるので、利用予定の航空会社のホームページをチェックするようにしましょう。
なお、長時間のフライト(一般的には5時間以上)になると、エコノミークラス症候群のリスクが高くなるといわれています。飛行機に乗る場合は、できれば30分ごとに水分をとるよう心がけてください。段階式着圧ストッキングを着用すると、むくみを軽減できる場合があります。
旅行前や旅行中に気をつけること
妊娠中の旅行では、以下を心がけましょう。
主治医に相談する
どのくらいの移動距離・移動時間のところを旅行先に選べばいいかなど、事前にかかりつけの医師に相談しましょう。その方が、旅行先や旅行中の計画などをスムーズに立てられると思います。
無理のないスケジュールにする
余裕のあるスケジュールで計画を立て、負担が大きくならないようにしましょう。もし、旅行中に体調の変化を感じたら、すぐに休むようにしてください。もしものときに備えて、妊婦さんが休みやすい場所を探したり、病院を調べておくことをおすすめします。
人ごみが多い場所を避ける
混雑した場所に行くと、すれ違ったときにぶつかったり、お腹を押されたりする場合があります。人気の観光スポットや遊園地などを訪れるときは、ゆっくりと静かに過ごせる場所を先に探しておくことをおすすめします。
健康保険証と母子手帳を持参する
もし旅行先で病院に行かなければならなくなったときに備えて、健康保険証と母子手帳を持って出かけましょう。母子手帳には妊娠の経過などが記録されているので、診療がスムーズに進みやすく、現地の医師も的確な判断をしやすくなります。
同じ姿勢を長時間続けない
長時間同じ姿勢で過ごし続けると、エコノミークラス症候群になるリスクが高まります。こまめに水分を摂ったり、適度に体を動かしたりして、ずっと同じ姿勢が続かないようにしましょう。
休憩をこまめにとる
移動中は意識してこまめに休憩をとるようにましょう。また、妊娠中はお手洗いが近くなるので、すぐにお手洗いに行けるように備えておくことをおすすめします。車で移動する場合は、渋滞に巻き込まれることも想定して、トイレ休憩を早めにとるようにしましょう。
体調の変化に気を配る
もし、移動中や旅先で疲れたり、お腹が張るなどの体調の変化を感じたら、すぐに休みましょう。体が冷えるとお腹が張りやすくなるので、寒い場所やクーラーがきいている場所などにいるときは冷やしすぎないように注意してください。
海外旅行の備えをする
海外は医療体制が異なるため、対応してもらえないことがあるかもしれません。また、自分の体調の変化を正確に医師に伝えることができず、適切な対処を受けられなくなる可能性もあります。妊娠中に海外に行く場合は、事前に現地の医療機関を調べたり、体調の変化を伝えられるよう準備したりするなどして、万全の態勢を整えましょう。
おわりに:妊娠中に旅行に行くときはきちんと準備をしておこう
安定期で体調もよければ旅行に行くことはできますが、妊娠中は思いがけない体調の変化が起こりやすい時期でもあります。事前に主治医の先生に相談したり、入念な下調べをしたりするなどして、旅行の準備を整えましょう。もし、体調が悪くなったときは、無理せず休み、旅行のキャンセルも検討するようにしてください。
(meddicomi 2026/07/15)

